MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

2020-01-01から1年間の記事一覧

空海の座標(高木訷元)

『空海の座標』(高木訷元) 高野山大学のレポート執筆のために読みました。元高野山大学学長であった著者が、空海の「存在深層の構造思想」ともいうべきマンダラ思想が、空海の生涯の歩みの中で、どのように形成され体系化されていったのかの脈絡を、空海自…

密教とマンダラ(頼富本宏)

『密教とマンダラ』(頼富本宏) 高野山大学のレポート提出に向け密教シリーズ。本書は、マンダラの特徴と最終章の密教の世界観についてのまとめの箇所が参考になりピックアップ。今回のレポートのテーマもなかなかの難しさ。 【設問】真言密教の思想特色と…

即身成仏儀(空海)

『即身成仏儀』(空海) 本書は、角川ソフィア文庫のビギナーズ日本の思想シリーズの一冊。空海の著書である『即身成仏儀』『声字実相義』『吽字義』の3冊の要点がまとめられています。正直、どれもパッと理解できる内容ではなく、難しいです。できればYouT…

『悪魔との対話』(中村元)

『悪魔との対話』(中村元) 高野山大学のレポートのために読んでいた一冊。仏教経典「サンユッタ・ニカーヤ」の後編です。ブッダがさとりを開くべく修行しているときに、心によぎる声(自問自答する相手のようなもの)。 悪魔とは、仏典の中に登場するもの…

人蕩し術(無能唱元)

『人蕩し術』(無能唱元)(◯) ずっと前から気になっていた本。「人たらし術」というタイトルからあまり良い気がせずに、そのまま先送りしていましたが、信頼できる人からの勧めもあり読んでみました。約1万円しますが、結果的に、読んで良かった!という…

神々との対話(中村元)

『神々との対話』(中村元) 高野山大学のレポートのために読んでいた一冊。仏教経典「サンユッタ・ニカーヤ」の前編です。神々とは、仏典の中に登場するもので、ブッダがさとりを開くべく修行しているときに、心によぎる声(自問自答する相手のようなもの)…

ブッダの伝記〜その資料と解釈〜(谷川泰教)

『ブッダの伝記〜その資料と解釈〜』(谷川泰教) 高野山大学のテキストです(文部科学省認可通信教育)。まさに、ずしっと重い教科書って感じ。大学時代ってこうだったなぁと思い出しながらテキストを読み、線を引き、レポートを書くという作業に取り組んで…

多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。(名越康文)

『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』(名越康文) 表紙とタイトル通り、ゆるい本です。精神科医である著者が人間関係で悩んでいたときに友人がアドバイスした言葉がタイトルの「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ」。本書は嫌な気持ちを引き…

沙門 空海(渡辺照宏、宮坂宥勝)

『沙門 空海』(渡辺照宏、宮坂宥勝) 高野山大学のレポート作成前の再読。今回はポイントを絞り、レポート課題のところを重点読しました。課題の一つが空海の功績となる出来事を一つ取り上げるというもの。たくさんありすぎますが、わたしは、広く庶民に教…

ブッダ伝(中村元)

『ブッダ伝』(中村元)(◯)<2回目> 実に分かりやすい解説。本書はブッダの生涯を軸に、ブッダの主な思想、出家・降魔成道(悟り)、初転法輪(初の説法)などの主な出来事、経典からの引用でまとめられています。ブッダってどんな人?どんな思想を広め…

原始仏典(中村元)

『原始仏典』(中村元)(◯)<2回目> 高野山大学のレポート提出に向けて再読。本書は、昭和の仏教大家でもある著者がNHKテレビ「インドの思想と文化」、NHKラジオ「こころを読むー仏典」での連続講義を7冊にまとめたうちの最初の2冊、「釈尊の生涯」「…

自己評価メソッド(クリストフ・アンドレ)

『自己評価メソッド』(クリストフ・アンドレ)(◯) 一連のシリーズ6冊ようやく最後の一冊にたどり着きました!どれも良い本でした。『感情力』『他人がこわい』『自信を持てない人のための心理学』『難しい性格の人との上手なつきあい方』『自己評価の心…

難しい性格の人との上手なつきあい方(フランソワ・ルロール&クリストフ・アンドレ)

『難しい性格の人との上手なつきあい方』(フランソワ・ルロール&クリストフ・アンドレ)(◯) 良書シリーズ、着々と読み進めております。本書は目次を見た感じ、治療が必要な領域だから、「あんまり関係ないかなー」、いくつかつまみ読みでいいかって思っ…

一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書(山崎圭一)

『一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書』(山崎圭一)(◯) そんなに日本史に興味ない人でも読みやすいと思います。①年号が全く登場しない、②古代から現代まで1つの物語で繋がる、③政権担当者を主役に展開というのが特徴。著者は、公立高校教師でYouT…

自信を持てない人のための心理学(フレデリック・ファンジェ)

『自信を持てない人のための心理学』(フレデリック・ファンジェ)(◯) これもいい本でした!一言でいうと「思い込みをなくして、自信を持てる良い循環を作るための一冊」です。自身には、「自己評価」「行動」「自己主張」の3つの要素が関連しています。…

自己評価の心理学(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール)

『自己評価の心理学』(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール)(◯)<2回目> 良書シリーズ。この著者の本は、私のように心理学の素人にもわかりやすく、随所に見られる表形式でのまとめが素晴らしくわかりやすいお勧め本です。本書は、「自己評価…

他人がこわい(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン)

『他人がこわい』(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン)(◯) 心理学良書シリーズの一冊。本書は、「社会不安」について、具体的には、あがり症・内気・社会恐怖の心理学がまとめられています。なぜその社会不安が生じるのか、社会不安をどうや…

感情力(フランソワ・ルロール、クリストフ・アンドレ)

『感情力』(フランソワ・ルロール、クリストフ・アンドレ)(◯) 心理学の良書シリーズです。最初に読んだのは『自己評価の心理学』という本だったのですが、そこから随分空いて本書を読みました。私のように心理学のことに詳しくなく、ぼんやり知っている…

D2C(佐々木康裕)

『D2C』(佐々木康裕)(◯) わかりやすい!おもしろい!でお勧めエントリーです。D2Cとは、Direct to Customer。テック×小売を実現した新しいスタイルの業態です。表紙・裏表紙から引用すると、単なる中抜きではなく、顧客との関係性、ものづくりのプロセス…

なぜリーダーは「失敗」を認められないのか(リチャード・S・テドロー)

『なぜリーダーは「失敗」を認められないのか』(リチャード・S・テドロー)(◯)<2回目> 久しぶりに再読してみましたが、前回読んだ4〜5年前に比べて良書だという感じ方が高まっていました。おそらくその間の自分の経験によるものだと思います。本書は…

広く弱くつながって生きる(佐々木俊尚)

『広く弱くつながって生きる』(佐々木俊尚) ネットワーク理論に関連しそうな本を探していて、書店で偶然見つけた書籍です。本書では、人間関係をちょっと考え直してみることで、生きづらさを日々から取り除いて、もっと楽に過ごせるようにしようということ…

弱いつながり 検索キーワードを探す旅(東浩紀)

『弱いつながり 検索キーワードを探す旅』(東浩紀) 情報を自由に検索しているつもりでも、実は全てGoogleが取捨選択した枠組みの中。ネットを触っている限り、他社の規定した世界でしか物を考えられない世界になりつつある。その世界から飛び出すには、Goo…

仕事の思想(田坂広志)

『仕事の思想』(田坂広志)<3回目>(◯) 週末の勉強会テーマ「仕事」に向けて再読しました。一つひとつのテーマに対する深みを感じるのが著者の著書。振り返りと内省。そこから先への思考・行動。本を読むことでこういう動きが作り出せ、「行動」に変化…

ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学(入山章栄)

『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学』(入山章栄)(◯) 現在読書会を行っている『世界標準の経営理論』(約800ページ)の抜粋要約版のような本書。発売順では、本書⇨『世界標準の経営理論』ですが、私の場合は、本書が積読に眠ってたため、…

乱談のセレンディピティ(外山滋比古)

『乱談のセレンディピティ』(外山滋比古) 思いがけない発見、偶然の結びつき・・・「セレンディピティ」を起こす可能性を高めることはできるのか。前作に『乱読のセレンディピティ』という著書があるのですが、著者は、「乱読」、つまり読書では自分の枠を…

センスメイキング(クリスチャン・マスビアウ)

『センスメイキング』(クリスチャン・マスビアウ)(◯) 「人間のあらゆる行動には、先の読めない変化がつきものなのだが、理系に固執していると、こうした変化に対して鈍感に、定性的な情報から意味を汲み取る生来の能力を衰えさせることになる」 『世界標…

『論語』がわかれば日本がわかる(守屋淳)

「『論語』がわかれば日本がわかる」(守屋淳)(◯) お友達にご紹介いただきました。「日本人らしさ」がどこから来ているのか。多くの日本人を無意識に縛っている常識や価値観とは何か。そのルーツを知るために参考になる一冊です。中国古典をわかりやすく…

沙門 空海(渡辺照宏、宮坂宥勝)

『沙門 空海』(渡辺照宏、宮坂宥勝) 高野山大学のレポートに向けて、論点となるポイントを読みました。文庫本だけど中身が濃く、さすが大学の参考図書だなと思います。本書は、弘法大師空海の人生を辿りながら歴史的功績がなんだったのかという点を中心に…

神・時間術(樺沢紫苑)

『神・時間術』(樺沢紫苑)(◯)<2回目> 今週末の勉強会テーマが「タイムマネジメント」なので、再読してみました。やはり、エッセンスが詰まっていて、良書だと思います。この手の実践をテーマとした書籍は、やはり自分が実践している方が、その体験を…

高僧伝 空海(松長有慶)

『高僧伝 空海』(松長有慶)(◯) 現在、高野山大学の単科生でもありますが、そろそろレポートを書かないといけないので、課題図書を読んでみました。本書は、高僧伝シリーズ(全10巻)の1冊で、1985年発行当時高野山大学学長であった著者が様々な文献にあ…