MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

2020-01-01から1年間の記事一覧

コロナ後に生き残る会社 食える仕事 稼げる働き方(遠藤功)

『コロナ後に生き残る会社 食える会社 稼げる働き方』(遠藤功) コロナ後の世界を遠藤さんはどう見ているのだろう?という興味から、本書を書店で見つけて即買いしました。現時点でコロナ後の世界どうなるのか全貌を予測するのは時期尚早としながらも、コロ…

ニコマコス倫理学(上)(アリストテレス)

『ニコマコス倫理学(上)』(アリストテレス)(◯)<2回目> 下巻に行くまでに時間がかかりすぎたので、上巻を再読。このところ「中庸」という言葉をセミナーで使うことが多く、改めて「中庸」に関する西洋の古典である本書を読み直してみようと思い読み…

Newsweek(2020.7.28号「コロナで変わる日本的経営」)

「Newsweek(2020.7.28号「コロナで変わる日本的経営」)」 withコロナ、afterコロナで、これからの経営はどう変わるのか?ころなへの対処として過ごしている今の時間で人々が経験したことが、その後の行動パターンを決めてゆき、元には戻らずに新たな世界へ…

コロナショック・サバイバル(冨山和彦)

『コロナショック・サバイバル』(冨山和彦) 今最も関心が高いと思われる、これからの経済はどうなっていくのか?個人や企業ができることは何か?これからこのテーマに関する本が続々出てくると思います。あの冨山さんはなんて書いていらっしゃるんだろう?…

見る 歩く 学ぶ 京都御所(らくたび文庫)

『見る 歩く 学ぶ 京都御所』(らくたび文庫) 京都の魅力を53のテーマに分けて文庫化したシリーズ。本書は、京都御所、仙洞御所、大宮御所、修学院離宮、桂離宮について解説した一冊。写真とコンパクトな解説かつ、テーマが絞られているので、建物や庭の一…

寂聴 生きる知恵(瀬戸内寂聴)

『寂聴 生きる知恵』(瀬戸内寂聴) 本書は、最も古時代のお経である法句経『ダンマパダ 』(真理のことば)についての講話をまとめた一冊。法句経は全部で423の詩から構成され、釈尊の語った言葉として、原始仏教の精神、釈尊の初心に触れられる貴重な経典…

哲学の技法(ジュリアン・パジーニ)

『哲学の技法』(ジュリアン・パジーニ)(◯) 本書は、28のテーマについて論じた一冊。東洋哲学も多数引用されており、日本人にも読みやすい哲学本です。難しい内容も多いですが、どのテーマから読んでも大丈夫なので、気になるところを拾い読みする感覚で…

菜根譚×呻吟語(NHK100分de名著ブックス)(湯浅邦弘)

『菜根譚×呻吟語(NHK100分de名著ブックス)』(湯浅邦弘) 『菜根譚』と『呻吟語』はともに中国の明の時代末期の混乱した時代に、人生のアップダウンを経験した二人の思想家が自らの人生を振り返りつつ、多くの悩める人々に向けて残した処世訓です。どちら…

向上心(サミュエル.スマイルズ)

『向上心』(サミュエル.スマイルズ)(◯) 『自助論』で有名な著者のもう一つの名著。「人間いかに生きるか」。生き方の大原則を示した本書は次の6章から成ります。「自分を大きく育てる」「個性を磨く」「自分を生かす働き方」「見識を高める」「良い人間…

寂聴 仏教塾(瀬戸内寂聴)

『寂聴 仏教塾』(瀬戸内寂聴)(◯) 仏教についての講話をまとめた一冊です。一般の聴講者を対象にした講話なので、とても分かりやすいのが特徴です。仏教用語はたくさん出てきますが、都度解説が入るので、イメージは掴みやすいかと思います。「仏教につい…

仕事の思想(田坂広志)

『仕事の思想』(田坂広志)(◯)<2回目> 約6年ぶりに再読。かなり仕事に関する考え方が自分の中にでき、定着化してきていることもあり、スッと入ってくる内容でした。本書は、仕事への向き合い方、なぜ働くのかということについて、10の観点からまとめ…

藩校・私塾の思想と教育(沖田行司)

『藩校・私塾の思想と教育』(沖田行司) 江戸時代の教育であった藩校と私塾。教育は現代に至るまで様々に形を変えていますが、武士の教育の精神・しつけが現代に生きている部分もあります。また、自分を律する力など、生き方に影響を及ぼす教育が色濃かった…

夢をかなえるゾウ(水野敬也)

『夢をかなえるゾウ』(水野敬也)(◯)<2回目> 毎日の実践ワークとして取り入れたい一冊。かなり久しぶりに読み返してみましたが、初回以上に良書だと感じました。初回に読んだ頃は、まだコーチングを学ぶずっと以前のこと。コーチング、生き方、習慣化…

寂聴 般若心経(瀬戸内寂聴)

『寂聴 般若心経』(瀬戸内寂聴)(◯) とってもわかりやすい寂聴さんの全11回の講話集。毎回、前半戦は余談から入り、半ば以降が般若心経の解説という構成。語り口調というのもわかりやすいし、端的にでありつつ、大事な点は繰り返し出てくるのが、ちょうど…

論語と算盤(渋沢栄一)

『論語と算盤』(渋沢栄一)(◯)<4回目> あまりに良書なため、勉強会のテーマとして取り上げることにしました。コンテンツ作成のために改めて読み直しましたが、特に前半戦は線引き箇所が多数になります。今回は、これまでに線を引かなかったところで、…

墨子(浅野裕一)

『墨子』(浅野裕一) 中国春秋時代末、墨子によって創始された墨家の学団は、約200年間、巨大な静慮を維持して、思想界を儒家と二分する存在だった。秦による中国再統一から帝国の滅亡などの中で突如姿を消し、以後約2000年間『墨子』はほとんど読む人もい…

働き方5.0(落合陽一)

『働き方5.0』(落合陽一)(◯) 2016年に出版された本のリバイバル本です。リバイバル本は商業目的っぽくて好きではないのですが、2016年の感覚と4年経った現在の状況で読む感覚では何かが違い学びになるかもしれないと思って、敢えて買ってみました。そし…

売上を減らそう(中村朱美)

『売上を減らそう』(中村朱美)(◯) 京都で国産牛ステーキ丼専門店「佰食屋」を経営する著者が、「ランチのみ1日100食限定で残業ゼロという飲食業界の常識を覆す経営の実態を語った一冊。かなり引き込まれるストーリーと工夫があり気づきが多かったことや…

宋名臣言行録(朱熹編、梅原郁編訳)

『宋名臣言行録』(朱熹編、梅原郁編訳)(◯) 『貞観政要』と並ぶ帝王学の書で明治天皇の愛読書のひとつ。今から約1000年近く前、中国の北宋時代の八代の皇帝と臣下の会話をまとめた一冊です。統治に必要な心構えを転じて、リーダー、その中でもトップの考…

本の読み方(平野啓一郎)

『本の読み方』(平野啓一郎)(◯) 「スロー・リーディングの実践」と題された本書。速読のデメリットを突きつつ、多読するよりも一冊をじっくり読んだ方が結局は良いと言うことが伝わってくる一冊です。小説、文学作品、そして私の場合は、内省目的の本も…

非対称情報の経済学(藪下史郎)

『非対称情報の経済学』(藪下史郎) 「スディグリッツと新しい経済学」というサブタイトルが付された本書。『世界標準の経営理論』(入山章栄)の第5章・第6章のテーマであった情報の経済学「情報の非対称性」「モラルハザード」をメインに扱った新書があ…

ゼロからつくるビジネスモデル(井上達彦)

『ゼロからつくるビジネスモデル』(井上達彦) 本書は、実践を前提とした「ビジネスモデルのつくり方ガイドブック」。何が起こるかわからないという状況で頼りになり、実践者の生きた知識を体系化した一冊です。多数の事例掲載とともに底から帰納法的に導き…

人生の哲学(渡邊二郎)

『人生の哲学』(渡邊二郎) まだ私には早かった一冊。生と死、愛、自己と他者、幸福論、生きがいといった、人生そのものと言っていいテーマについて論じた一冊。とても魅力的に感じ、買ってみましたが、まだ深く入っていけるようではありました。おそらくそ…

両利きの組織をつくる(加藤雅則、チャールズ・A・オライリー他)

『両利きの組織をつくる』(加藤雅則、チャールズ・A・オライリー、ウリケ・シューデ)(◯) VUCAと呼ばれる目まぐるしく変わる現代社会。そんな中で従来型の大企業がどのように既存事業を守りながら、新規事業を立ち上げていくのか。2019年に『両利きの経営…

私とは何か(平野啓一郎)

『私とは何か』(平野啓一郎)(◯) 田坂広志さんの『人は誰もが、「多重人格」』を題材にして勉強会資料を作成していた際に、お友達からご紹介いただいた本書。内容的に同じテーマの話でした。「個人」という普段使っている言葉に対し、「分人」という、実…

現代倫理学入門(加藤尚武)

『現代倫理学入門』(加藤尚武)(◯) 「入門」とだけあって分かりやすさとコンパクトさが優れている一冊でした。250ページ弱に15のテーマが収められており、それぞれ独立しているので、自分の関心のあるところだけを拾い読みできるお手軽さが、「倫理」とい…

人は、誰もが「多重人格」(田坂広志)

『人は、誰もが「多重人格」』(田坂広志)(◯) 主催するオンラインサロンで、今週の勉強会のテーマにしている本書。もともと『知性を磨く!スーパージェネラリストの時代』の続編として出版された本書。「思想、ビジョン、志、戦略、戦術、技術、人間力」…

養生訓(貝原益軒 現代語訳:城島明彦)

『養生訓』(貝原益軒 現代語訳:城島明彦)(◯)<2回目> 1713年に刊行された家庭医学の古典書的良書。主催しているオンラインサロンの勉強会用に改めて読み直してみましたが、やはり良書。食事、運動、休養などの日常の行動に加え、「氣」に関する話も多…

努力論(倖田露伴)

『努力論』(倖田露伴) 「昔テストで見たな」くらいしか知らなかったのですが、帯に惹かれて買ってみました。著者(1867〜1947年)は、尾崎紅葉とともに「紅露時代」を築いた作家。本書最後にある「解説」に興味深いことが書かれています。本書は、『努力論…

原始仏典 中部教典Ⅲ(第6巻)(監修:中村元)

『原始仏典 中部教典Ⅲ』(第6巻)(監修:中村元)(○) まずは第1シリーズ7冊完読に向けて読み進めております。第6巻も500ページ超えで、なかなか時間がかかりました。このあと、第2シリーズ全6巻、第3シリーズ現在7巻でまだ続きそう。とそこまで読…